• 2026年10月26日

たんぱく質は1日どれくらい必要? 健診結果や血圧・コレステロールが気になる方のための摂り方を医師が解説|新橋・汐留の伊原医院

コンビニで「たんぱく質○○g」の表示を見て、いつもの昼食にもう一品。健康によさそうですが、健診で血圧やコレステロールを指摘されていると、「自分も増やしてよいのだろうか」と迷うことはありませんか。

健康な成人のたんぱく質の推奨量は、男性では1日60〜65g、女性では50gが一般的な目安です。ただし、食事の整え方は体格・活動量・年齢・腎機能などによって変わります。数字だけでなく、どの食品から摂るかも大切です。[1]

新橋・汐留の伊原医院が、身近な食品の量と献立例を使いながら、健診結果が気になる方のたんぱく質の摂り方を解説します。

鮭、豆腐、納豆、卵、牛乳、ご飯を食卓に並べた、たんぱく質を含む身近な食品の水彩イラスト
魚・大豆製品・卵・乳製品など、たんぱく質を含む食品の例。

食事を見直すときの3つの視点

  • 量:まず、普段の食事でどれくらい摂れているか確認。
  • 選び方:血圧が気になる方は塩分、LDLが高い方は飽和脂肪酸にも注目。
  • 健診結果:腎機能低下や尿たんぱくを指摘されたら、増減する前に相談。

たんぱく質は1日何g必要?まずは年齢別の目安を確認

たんぱく質は筋肉だけでなく、臓器や皮膚などをつくる材料です。筋トレをしている方に限らず必要ですが、「健康のために多いほどよい」とは限りません。

健康な成人のたんぱく質の推奨量(1日当たり)
年齢男性女性
18〜64歳65g50g
65歳以上60g50g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より。妊娠・授乳中は追加の必要量を考慮します。病気の治療として食事指示を受けている方は、その指示を優先してください。[1]

推奨量は、多くの健康な人の必要量を満たすための指標です。生活習慣病予防を考える際は、総エネルギーに占める栄養素の割合も用いて、食事全体を評価する必要があります。

また、高齢の方は表の数字だけを見て食事を減らさないようにしましょう。食が細い、体重が意図せず減る、筋力が落ちたといった場合には、エネルギー不足や低栄養にも目を向ける必要があります。


卵1個、納豆1パックには何g?食品の重さと区別しましょう

魚を80g食べても、たんぱく質を80g摂るわけではありません。食品には水分や脂質なども含まれるためです。身近な1回分で見ると、次のようになります。

表は左右にスクロールできます。

身近な食品に含まれるたんぱく質の概算
食品計算に用いた量たんぱく質
ゆで卵1個・殻を除いて50g約6.3g
糸引き納豆1パック40g・たれを除く約6.6g
木綿豆腐150g約10.5g
鮭(しろさけ)1切れ・調理前の可食部80g約17.8g
普通牛乳200g(コップ約1杯)約6.6g
ご飯(精白米)炊いた状態で150g約3.8g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参照。[2]

ご飯にもたんぱく質が含まれるため、肉・魚だけで1日分をそろえる必要はありません。一方、「豆腐なら何でも同じ」ではなく、木綿と絹ごしでも含有量は異なります。まずはよく食べる食品を数種類覚えるだけでも、食事を振り返りやすくなります。


食事にするとどれくらい?3つの組み合わせ例

以下は、たんぱく質量をつかむための主食・主菜の組み合わせです。これだけで栄養が完結する献立ではなく、野菜のおかずなども組み合わせます。。

朝食の例:納豆ご飯とゆで卵で約17g

ご飯150g(約3.8g)+納豆40g(約6.6g)+ゆで卵1個・可食部50g(約6.3g)=約16.7g。朝食がおにぎりだけになりやすい方は、主菜を組み合わせると量が変わります。納豆のたれや卵にかける塩・しょうゆは控えめに。卵を控えるよう指示されている方は、豆腐などへの変更を相談しましょう。

昼食の例:鮭のおかずとご飯で約22g

鮭1切れ・調理前80g(約17.8g)+ご飯150g(約3.8g)=約21.6g。塩ざけではなく生鮭を使い、きのこや野菜と蒸し焼きにすると味付けを調整しやすくなります。市販の焼き魚弁当は、魚の大きさと塩分が違うので表示も参考にしてください。

夕食の例:豆腐を主菜にした食事で約14g

木綿豆腐150g(約10.5g)+ご飯150g(約3.8g)=約14.3g。例えば、豆腐と野菜の蒸し物にして、しょうがや少量のたれで味付けします。肉料理を大豆製品に置き換えたい日の選択肢です。

上記は副菜・調味料のたんぱく質は含みません。この場合、3例を足すと1日のたんぱく質摂取量は約53gです。必要に応じて、牛乳200gなら約6.6gなど調整することもできます。[2]

朝・昼は軽く済ませ、夕食だけで補おうとしている場合は、まず昼までに主菜を取り入れる工夫を。毎食まったく同じ量にすることより、1日の総量と続けやすさを確認することが先決です。


血圧・コレステロール・腎機能で、食事の注意点は変わります

血圧が高い方:加工食品や調味料の塩分も確認

たんぱく質が豊富でも、ハム・ソーセージ・干物などを頻繁に選ぶと塩分が重なることがあります。高血圧の食事療法では、食塩は1日6g未満が目標です。日本高血圧学会の2025年の公開資料でも、栄養成分表示の「食塩相当量」の確認が勧められています。[3]

肉や魚は加工されていないものも選び、レモン・酢・香辛料などで味に変化をつけてみましょう。納豆のたれ、ドレッシング、汁物まで含めて考えると、減塩の工夫が見つかります。家庭血圧の記録も食生活の見直しと一緒に役立ちます。

LDLコレステロールが高い方:脂身や乳脂肪の多い食品に偏らない

たんぱく質と一緒に摂る飽和脂肪酸にも目を向けます。飽和脂肪酸は肉の脂身、バター、生クリームなどに多く含まれ、摂りすぎはLDLコレステロールに影響します。肉の一部を魚や大豆製品に替える、乳製品は無糖の低脂肪タイプも選ぶ、といった工夫ができます。[4・5]

卵も便利なたんぱく源ですが、卵黄にはコレステロールが含まれます。「高たんぱくだから何個でもよい」とは考えず、ほかの食品や検査結果と合わせて量を決めます。

関連する記事:LDLコレステロール150・160と受診の目安

体重・血糖・中性脂肪が気になる方:上乗せする前に食事全体を

普段の食事を変えずにプロテイン飲料やバーを追加すると、その分のエネルギーも増えます。商品によっては糖類や脂質も含まれます。まず、主食・主菜・副菜がそろっているか、間食や甘い飲み物が多くないかを確認しましょう。

たんぱく質を意識するあまり、ご飯や野菜を極端に減らす食べ方はおすすめしません。減量が必要な場合にも、筋肉を保つための食事と無理のない身体活動を合わせて考えます。糖尿病の治療中は、薬や腎機能も踏まえて食事量を調整します。

腎機能の低下・尿たんぱくを指摘された方:増やす前に相談

健診結果のクレアチニン、eGFR、尿たんぱくは、腎臓の状態を確認する手がかりです。尿たんぱくが陽性でも、「食べたたんぱく質が多かっただけ」と自己判断しないでください。

慢性腎臓病(CKD)では、病期や体格、栄養状態などに応じてたんぱく質量を調整します。高たんぱく食を避ける必要がある一方、制限しすぎによる低栄養にも注意が必要です。高齢で筋力が低下している方や透析中の方についても個別に考える必要があります。[6]

詳しくは、腎機能の見方と腎臓を守る生活習慣もご覧ください。


新橋・汐留で働く方へ:外食・コンビニで選ぶときのコツ

忙しい日も、まずは「主食だけで終わっていないか」を確認してみてください。おにぎりや麺だけなら、豆腐・卵・魚などの主菜と、野菜のおかずを組み合わせる方法があります。

  • 栄養表示は1食分で確認:「100g当たり」と「1包装当たり」を区別し、たんぱく質・エネルギー・食塩相当量を見ます。
  • 高たんぱく表示だけで選ばない:サラダチキンなども製品によって塩分が違います。味付けや量を比べましょう。
  • 定食は主菜と副菜の組み合わせで:魚・大豆・脂身の少ない肉などを日替わりで選び、たれはかけすぎず、汁物の量も調整します。
  • 追加と置き換えを使い分ける:食事量が足りない方は補い、エネルギー過剰の方は間食などとの置き換えを考えます。

完璧な献立を毎日用意する必要はありません。いつもの店で選べる一品や、冷蔵庫に置いておける食品から始めると続けやすくなります。


たんぱく質の摂り方について、よくあるご質問

Q.プロテインは毎日飲んだほうがよいですか?

A.食事で必要量を摂れていれば、必須ではありません。食が細いなど、食事だけでは難しい場合に補助として使うことはあります。含まれるたんぱく質量を確認し、腎臓病などがある方は使用前に医師へ相談してください。

Q.1食20gに届かなければ不足ですか?

A.1食の数字だけでは不足とは判断できません。1日全体の摂取量、体格や活動量、体重の推移などで評価します。「毎食20g」にこだわる必要がありません。

Q.たんぱく質を多く摂ると、健康な人でも腎臓を傷めますか?

A.そのように断定はできません。ただし、健康な人についてたんぱく質をいくら摂っても安全というわけではないので、大量摂取を続けるより必要量と食事全体を確認しましょう。腎機能が低下している方は別に判断します。[1・6]

Q.コレステロールが高ければ、肉や卵はすべてやめるべきですか?

A.一律にすべて除くのではなく、量・部位・調理法と食事全体を見直します。脂身の少ない肉を選び、魚や大豆製品も取り入れる方法があります。卵の量を含め、主治医から具体的な指示がある方はそちらを優先してください。[4]


健診結果をもとに、自分に合う食事を相談したい方へ

食事の情報はたくさんあっても、血圧・LDL・血糖・腎機能のうち、何を優先すればよいかは人によって異なります。健診で「要受診」「要精密検査」とされた方、異常を繰り返し指摘されている方、腎機能低下や尿たんぱくがある方は、結果票を持って内科やかかりつけ医へご相談ください。

伊原医院では、健診結果や服薬状況、普段の生活を踏まえて、再検査・治療の必要性や食事の見直しについて相談できます。食生活を整えることと、必要な検査や治療を受けることは並行して進められます。

受診の際は、健診結果、お薬手帳、あれば家庭血圧の記録をお持ちください。朝・昼・夕によく食べているものやプロテイン、サプリメントなどの情報も具体的な相談の役に立ちます。

当院は東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー地下2階にあり、都営大江戸線「汐留駅」地下2階直結、JR「新橋駅」から徒歩約4分(地上ルート)です。

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お問い合わせ:03-3573-1800

2026年10月26日時点で確認できた公的資料・関連学会の公開情報に基づく、主に成人向けの一般的な解説です。妊娠・授乳中、食物アレルギー、病気による食事制限がある場合などは個別に調整する必要があります。納豆はワルファリン服用中には避ける必要があるなどの注意点は主治医の指示に従いましょう。

参考情報

  1. 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)(たんぱく質・総論)。2026年現在の国内の基準として参照。
  2. 文部科学省:食品成分データベース(日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年)。ゆで卵、糸引き納豆、木綿豆腐、しろさけ・生、普通牛乳、ご飯。
  3. 日本高血圧学会:血圧を適切に保つための10のヒント等(2025年公開資料)。食塩1日6g未満と栄養成分表示の確認。
  4. 日本動脈硬化学会:コレステロール摂取に関するQ&A。
  5. 日本動脈硬化学会:脂質異常症診療のQ&A。国内の基本資料は動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版・脂質異常症診療ガイド2023年版。
  6. KDIGO 2024 CKD診療ガイドライン(3.3.1 Protein intake)。国内の関連資料:日本腎臓学会・CKD診療ガイド2024/患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024の案内。

この記事の監修者

山下 理比路

医療法人社団優春会伊原医院 理事長
山下 理比路

  • 医師/医学博士
  • 日本集中治療医学会 集中治療専門医
  • 日本医師会認定 産業医
  • 日本内科学会 正会員
  • 日本循環器学会 正会員
  • 日本医師会「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」修了

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