• 2026年9月7日

健康診断で糖尿病の疑いと言われたら?検査値の解釈や受診の目安を医師が解説|新橋・汐留の伊原医院

健診結果に「血糖値が高い」「HbA1c高値」「糖尿病の疑い」と記載されていると、「これはもう糖尿病ということ?」「すぐに受診したほうがよい?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。



血糖値とHbA1cは、どちらも血糖の状態を調べる検査ですが、示している内容は同じではありません。血糖値やHbA1cは、食事の時間、体調、貧血などの影響を受けるため、健診の1回の数値だけで決めつけず、必要な再検査を行って判断することが大切です。



この記事では、健康診断で糖尿病の疑いを指摘されたときに知っておきたい検査値の見方と、医療機関を受診する目安を分かりやすく解説します。新橋・汐留エリアで健診後の再検査をご希望の方は、伊原医院へご相談ください。






血糖値とHbA1cは何が違う?



血糖値は「採血した時点の血糖」HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は「過去1~2か月程度の血糖の平均的な状態」を反映する指標です。



検査何を表す?注意点
血糖値採血した時点の血液中のブドウ糖濃度食事、運動、発熱、ストレス、薬などで変動します
HbA1c過去1~2か月程度の平均的な血糖状態食事直後の影響は受けにくい一方、貧血、失血・輸血、腎臓病、肝臓病などで実際の血糖とずれることがあります


このため、どちらか一方だけでなく、両方を合わせて確認すると状態をより正確に把握できます。たとえば、健診当日の血糖値が正常でもHbA1cが高い場合や、反対に血糖値だけが高い場合があります。



健康診断の血糖値とHbA1cについて医師から説明を受ける患者のイラスト
血糖値とHbA1cは、見ている時間の範囲が異なります





健診結果はどう見ればよい?



日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、次のいずれかを満たす場合を「糖尿病型」としています。



  • 空腹時血糖値:126mg/dL以上
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値:200mg/dL以上
  • 随時血糖値:200mg/dL以上
  • HbA1c:6.5%以上





1回の検査だけで糖尿病と決まる?



HbA1cが1回6.5%以上だっただけでは、原則として糖尿病の確定診断にはなりません。糖尿病型を2回確認し、そのうち少なくとも1回は血糖値で確認するのが基本です。ただし、同じ採血で血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型であれば、1回の検査でも糖尿病と診断できます。



また、血糖値が糖尿病型で、口渇、多飲、多尿、体重減少などの典型的な症状がある場合や、糖尿病網膜症が確認されている場合は、1回でも診断できることがあります。



健診では採血が本当に空腹時だったか、直前の体調不良や服薬の影響がなかったかも確認します。数値が一致しない場合には、空腹時血糖とHbA1cの再検査、75gOGTTなどを組み合わせて判断します。






どのような場合に受診する?



健診結果に「要受診」「要精密検査」「要治療」と記載されている場合や、空腹時血糖126mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上のいずれかを認める場合は、健診結果票を持って早めに医療機関へご相談ください。



HbA1c 5.6~6.4%や空腹時血糖100~125mg/dLでも、毎年上昇している、家族に糖尿病の方がいる、肥満、高血圧、脂質異常症、脂肪肝がある場合は、放置せず一度評価を受けることをおすすめします。やせている方でも糖尿病になることはあります。



強い口渇や多尿、急な体重減少、強いだるさ、吐き気・腹痛、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、高度の高血糖や糖尿病ケトアシドーシスの可能性があります。通常の健診後受診を待たず、速やかな医療機関への受診を検討してください。






受診後はどのような検査をする?



まず健診時の採血条件と過去の推移を確認し、必要に応じて空腹時血糖、HbA1c、尿糖・尿ケトンなどを再検査します。血圧、体重、脂質、肝機能、腎機能、尿検査も合わせて確認し、糖尿病が疑われる場合には合併症の有無や心血管リスクも評価します。



すべての方がすぐに薬を始めるわけではありません。数値、年齢、体格、持病、生活状況を踏まえ、食事・運動の見直しで経過をみるか、薬物治療が必要かを個別に判断します。






今からできる生活習慣の見直し



  • 清涼飲料水、加糖コーヒー、甘いお菓子を習慣的にとっている場合は、まず回数や量を減らす
  • 主食だけを極端に抜かず、野菜、魚、大豆製品、肉などを組み合わせ、食べ過ぎを避ける
  • ウォーキングなど、続けられる運動を日常生活に取り入れる
  • 過度の飲酒を避け、睡眠や生活リズムを整える


急激な食事制限や自己流の糖質制限は、体調や持病によっては負担になります。特に薬を服用している方は、自己判断で大きく食事を変える前に医師へご相談ください。






よくあるご質問(Q&A)



Q. HbA1cが6.5%以上なら、必ず糖尿病ですか?
A. HbA1cだけが1回高い場合は、血糖値の確認や再検査が必要です。貧血、出血や輸血、腎臓病などで実際の血糖とずれることもあるため、総合的に判断します。



Q. 尿糖が陰性なら糖尿病ではありませんか?
A. いいえ。尿糖は血糖値や腎臓の状態などによって変わるため、陰性でも糖尿病を否定できません。診断には血液検査を用います。



Q. 前日の食べ過ぎだけでHbA1cは上がりますか?
A. HbA1cは過去1~2か月程度の血糖状態を反映するため、前日の食事だけで大きく変わる検査ではありません。ただし、血糖値は食事の影響を受けますので、空腹時採血だったかを確認します。






健診で血糖異常を指摘された方は伊原医院へご相談ください



糖尿病の診断では、1つの数値だけを見るのではなく、血糖値とHbA1cの組み合わせ、過去からの変化、体格、持病、生活背景を確認することが大切です。



新橋・汐留・港区周辺で、健康診断の「血糖値が高い」「HbA1c高値」「糖尿病の疑い」「要再検査」を指摘された方は、伊原医院までご相談ください。健診結果票とお薬手帳、過去の検査結果があればお持ちください。



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本記事は、2026年9月7日時点の日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」、厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」、厚生労働省e-ヘルスネット、国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センターの情報を踏まえて作成しています。



参考情報





この記事の監修者



山下 理比路


医療法人社団優春会伊原医院 理事長
山下 理比路



  • 医師/医学博士
  • 日本集中治療医学会 集中治療専門医
  • 日本医師会認定 産業医
  • 日本内科学会 正会員
  • 日本循環器学会 正会員
  • 日本医師会「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」修了


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