- 2026年11月5日
- 2026年11月4日
糖尿病の薬はいつから必要?HbA1c 6.0・6.5・7.0でどう違う?食事・運動だけで改善できるか医師が解説|新橋・汐留の伊原医院
「薬はできれば飲みたくない。でも、何もしないのも心配」。健診結果のHbA1cを見ながら、受診を迷っていませんか。
糖尿病の薬を始める時期は、HbA1cの数字だけでは決まりません。6.5%は糖尿病型を判定する基準、7.0%未満は多くの成人で用いる治療目標です。[1・2]
健康診断で「糖尿病の疑い」「血糖値・HbA1cが高い」と指摘されたら、健診結果を持って伊原医院を受診してください。当院では、必要に応じて採血で血糖値やHbA1cを再確認し、治療の必要性を検討します。食事や運動、仕事のリズム、持病なども伺い、生活の中で見直せることを一緒に考えます。

- HbA1c 6.0%:血糖値・過去の推移も確認。上昇傾向なら相談を。
- HbA1c 6.5%以上:症状がなくても、早めに受診して診断と方針を確認。
- HbA1c 7.0%:未治療なら診断・治療の相談を。治療中なら自分の目標値と照らして見直しを。
HbA1c 6.0%・6.5%・7.0%は、何が違う?
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1~2か月程度の平均的な血糖状態を反映します。以下は、主に成人の2型糖尿病を念頭に置いた目安です。[1・4]
| HbA1c | 数値の意味 | 薬・受診の考え方 |
|---|---|---|
| 6.0% | HbA1c単独では糖尿病型の基準未満。ただし糖尿病を否定する値ではありません。 | この値だけで薬の開始は決めませんが、血糖値、年ごとの上昇、家族歴などを確認します。 |
| 6.5% | 糖尿病型の判定基準に該当します。 | 早めの受診が必要です。血糖値と合わせて診断し、生活改善で経過をみられるか判断します。 |
| 7.0% | 合併症予防の一般的な目標「7.0%未満」に届いていない値です。 | 未治療なら診断と治療方針の確認を。治療中なら個別の目標に応じて薬や生活習慣を見直します。 |
日本糖尿病学会の診断基準・治療目標をもとに作成。治療中の方は、6.0%や6.5%であっても自己判断で薬をやめないでください。[1・2]
6.5%でも、HbA1cだけで確定診断にはしません
同じ採血で血糖値とHbA1cがともに糖尿病型なら、1回でも診断できます。一方、HbA1cだけが高い場合には、血糖値の確認や再検査などが必要です。貧血などでHbA1cと実際の血糖状態がずれることもあります。検査値の詳しい見方は、「健康診断で糖尿病の疑いと言われたら?」で解説しています。[1]
7.0%未満という目標も、一人ひとり異なります
年齢、糖尿病の期間、合併症、低血糖の起こりやすさなどで目標値は調整します。高齢の方などに、無理に低い数値を目指す治療が適さない場合もあります。大切なのは、検査結果と一緒に「私の目標はどのくらいか」を確認することです。[2]
糖尿病の薬はいつから必要?「今の状態」と「改善の経過」で考えます
日本糖尿病学会の『糖尿病診療ガイドライン2024』では、インスリンを直ちに必要としない状態で、十分な食事・運動療法を2~3か月行っても個別の血糖管理目標に届かない場合に、血糖降下薬を検討します。ただし、開始時期は病状や治療歴などを踏まえて判断します。[3]
この2~3か月は、受診せず自己流で様子を見る期間ではありません。まず診察を受け、生活改善を試せる状態か、何を変えるか、いつ再検査するかを決めて進めます。数値が悪化していれば、予定より早い見直しも必要です。
生活改善の効果を待たず、治療を急ぐこともあります
著しい高血糖や、強い喉の渇き・多尿・急な体重減少がある場合は、早い段階から薬物療法を考えます。インスリンが大きく不足しているときには、飲み薬ではなくインスリン治療が必要です。[3]
吐き気・腹痛、強い脱水、意識がもうろうとする、呼吸がおかしいといった症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急受診を検討してください。
食事・運動だけで改善できる?試すなら、検査とセットに
発症からの期間が短く、食事量や活動量、体重の見直しが効果につながる2型糖尿病では、薬を使わずに目標へ近づける方もいます。ただし、体質やインスリンの分泌量も関わるため、HbA1cが何%下がるかを一律に予測することはできません。
食事は「全部変える」より、続けられる変更を具体的に
たとえば、毎日の加糖コーヒーを無糖にする、麺とご飯を重ねる昼食を見直す、大盛りを普通盛りにして魚・肉・大豆製品や野菜のおかずを組み合わせる、といった方法があります。診察では普段の食事を伺い、変えやすい点を探します。
必要な食事量は体格、年齢、活動量、腎機能などで異なります。主食を極端に抜いたり、やせているのに減量したりする方法は勧められません。薬を使用中の方は、食事を急に減らすと低血糖につながる場合もあるため、先に相談してください。[5]
運動は、仕事の日にもできる量から
運動に支障がない方なら、昼休みや食後の短い散歩、座り続ける時間をこまめに区切ることなどが出発点になります。一般的には中等度の有酸素運動を週150分以上、筋力を保つ運動を週2~3回行うことが勧められますが、最初から達成する必要はありません。短い時間から増やす方法を相談しましょう。[6]
高血糖が著しいときや、心臓病、進行した網膜症、足の傷などがあるときは、運動を控えたり内容を変えたりする必要があります。体調が悪いのに「血糖を下げるため」と無理をしないでください。
次の採血で、続けるか・薬を加えるかを決める
体重の変化、取り組めたこと、難しかったことを記録しておくと、再診時の相談が具体的になります。薬なしで改善しても、その後の検査は必要です。逆に目標に届かなければ、生活改善を続けながら薬を加える選択肢があります。
薬が必要なときは、効果だけでなく生活への合い方も確認します
2型糖尿病の治療薬は、体格やインスリンの働き、腎機能、低血糖のリスク、心臓・腎臓の病気、費用、服用回数などを考えて選びます。日本糖尿病学会の薬物療法アルゴリズムも、こうした条件を踏まえた選択を示しています。[7]
- 仕事中に低血糖が起こると困る:運転や食事時間も踏まえて薬を検討します。
- 腎臓の数値が気になる:腎機能に応じた薬の選択・用量の確認が必要です。
- 心不全や慢性腎臓病がある:SGLT2阻害薬など、病状に応じて心臓・腎臓への利益も考慮します。
- 飲み忘れや副作用が心配:続けやすい服用方法や、困ったときの対応まで確認します。
どの薬にも注意点があります。たとえばSGLT2阻害薬では脱水など、GLP-1受容体作動薬などでは消化器症状などに注意が必要です。薬を始める際には、発熱・嘔吐・食事がとれない日にどう対応するかも確認することが大切です。[8]
糖尿病の薬とHbA1cについて、よくある質問
Q.HbA1c 6.5%なら、薬なしで大丈夫ですか?
数値だけでは判断できません。薬を使わず経過をみられる方もいますが、まず血糖値や症状、持病を確認する必要があります。「薬が不要か」を相談するためにも、健診結果を持って受診してください。
Q.HbA1c 7.0%でも症状がありません。来年の健診まで待てますか?
未治療なら、来年まで待たずに受診してください。糖尿病は症状が乏しいことがあり、自覚症状だけでは治療の必要性を判断できません。治療中の方は、主治医と決めた目標や受診予定に沿って相談しましょう。[2・4]
Q.薬を一度始めたら、一生やめられませんか?
2型糖尿病では、体重や生活習慣、血糖状態の改善により減量・中止できる場合もあります。ただし全員ではなく、薬で良い数値を保てている可能性もあります。中止の可否は医師と判断し、その後も検査を続けます。
Q.食事・運動を頑張ってから受診した方がよいですか?
結果を良くしてから来院する必要はありません。現在の食事や働き方をそのまま伝えていただく方が、無理のない方法を考えやすくなります。まず「生活改善だけでよい状態か」を確かめましょう。
健診で糖尿病の疑いを指摘されたら、新橋・汐留の伊原医院へ
「まだ薬は必要ないかもしれない」「何から変えればよいか分からない」。そうした段階からご相談いただけます。健診で糖尿病の疑いを指摘された方は、結果をそのままにせず、伊原医院を受診してください。当院では、検査結果と患者さん一人ひとりの背景を確認し、次に取り組むことを具体的に整理します。
受診すると、どのようなことができますか?
- 採血で現在の状態を確認し、治療の必要性を検討します。
健診結果や採血時の条件、過去の数値の推移を確認し、必要に応じて血糖値・HbA1cなどを再検査します。その結果と診察内容を合わせ、糖尿病の診断や、薬による治療が必要かを判断します。 - 数字だけでは分からない、生活や身体の背景を伺います。
普段の食事、間食・飲酒、運動量、体重の変化、勤務時間、持病、服用中の薬などを確認します。「外食が多い」「帰宅が遅い」といった事情や、治療への不安もお聞かせください。 - 今の暮らしの中で、できることを一緒に考えます。
飲み物の選び方、昼食の組み合わせ、通勤や休憩時間に取り入れられる運動など、続けられそうな変更を相談します。一律に「食事を減らす・運動を増やす」で終わらせず、患者さんに合う方法を考えます。 - 再検査の時期と、その後の治療方針を決めます。
生活改善で経過をみる場合も、次にいつ数値を確認するかを決めます。薬が必要な場合には、その理由や注意点をご説明し、ご希望も伺いながら治療を相談します。
受診は、薬を始めるかどうかを決めるためだけのものではありません。「自分は今どのような状態で、何に取り組めばよいか」を確かめる機会です。健診結果をきっかけに、伊原医院で今後の方針を一緒に考えましょう。
受診時は、今回と過去の健診結果、お薬手帳をお持ちください。
当院は東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー地下2階。都営大江戸線「汐留駅」地下2階直結、JR「新橋駅」から徒歩約4分(地上ルート)です。土曜日も診療しています。
健診結果を、次の行動につなげるために。
薬が必要かどうかも含め、まずは今の状態を確認しましょう。
伊原医院の生活習慣病診療 》
診療時間・アクセスを確認する 》
お問い合わせ:03-3573-1800
検査をご希望の方は18:30までにご来院ください。最新の診療予定は医院ホームページでご確認ください。
参考情報
医学情報の確認日:2026年11月5日。2026年現在公開されている国内の診療ガイドライン・学会資料・厚生労働省資料を元に、記事を作成しています。
- 日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』第1章 糖尿病診断の指針
- 同 第2章 糖尿病治療の目標と指針
- 同 第5章 血糖降下薬による治療(インスリンを除く)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」(2025年10月更新)
- 日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』第3章 食事療法
- 同 第4章 運動療法
- 日本糖尿病学会「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)」(2023年、英文2024年)
- 日本糖尿病学会「薬剤等に関するRecommendation」(2026年3月更新の一覧を確認。SGLT2阻害薬の適正使用〔2022年〕、インクレチン関連薬の安全な使用〔2024年〕を参照)
この記事の監修者

医療法人社団優春会伊原医院 理事長
山下 理比路
- 医師/医学博士
- 日本集中治療医学会 集中治療専門医
- 日本医師会認定 産業医
- 日本内科学会 正会員
- 日本循環器学会 正会員
- 日本医師会「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」修了
