• 2026年10月11日

LDLコレステロール150は治療が必要?160は?健康診断でコレステロール値を指摘された時の受診の目安を医師が解説|新橋・汐留の伊原医院

健診結果の「LDL 150」に印が付いている。昨年は145で、今年は160。「少し高いだけなのか、薬を飲む段階なのか」と迷う方は少なくありません。

LDLコレステロール150mg/dL・160mg/dLは、どちらも高LDLコレステロール血症の基準に当てはまり、生活習慣の改善と医療機関での評価が必要です。ただし、150なら薬は不要、160なら必ず薬、という一律の線引きはありません。血圧・血糖・腎機能、喫煙、これまでの病気などを合わせて判断します。[1・2・3]

この記事では、新橋・汐留の伊原医院が「自分の結果なら、次に何をすればよいか」を整理します。以下、LDL値の単位はmg/dLです。

LDLの健診結果、野菜のかご、ウォーキングシューズ、カレンダーを描いた生活改善と継続管理の水彩イラスト
健診結果をきっかけに、食事・運動の見直しと定期的な確認につなげましょう。

健診結果を見たら、ここを確認

  • 150・160:翌年の健診まで放置せず、生活の見直しと受診の予定を。
  • 180以上:早めに受診し、体質・遺伝が関係する病気も確認。
  • 持病や家族歴がある:数値がそれほど高くなくても、より積極的な対応が必要な場合があります。

LDLコレステロール150は高い?160との違いは?

LDLコレステロールは、いわゆる「悪玉コレステロール」です。体に必要なコレステロールを運びますが、増えすぎると血管の壁にたまり、動脈硬化に関係します。症状から高いかどうかを判断するのは難しく、採血結果が手がかりになります。[2・8]

まず、結果票の項目がLDLコレステロール(LDL-C)か確認してください。「総コレステロール150」「中性脂肪150」では意味が異なります。

画面が狭い場合は、表を左右にスクロールしてご覧ください。

LDLコレステロールと受診を考える目安(成人・単位mg/dL)
LDL値結果の受け止め方次の行動
120~139境界域。持病によっては対応が必要生活習慣を見直し、リスクがある方は医師に相談
140~159
(150を含む)
高LDLコレステロール血症の範囲生活改善に取り組み、健診結果を持って受診
160~179
(160を含む)
同じく高LDLコレステロール血症の範囲受診して目標値と治療方針を確認。薬の要否は個別に判断
180以上より早い評価が必要早期に受診。家族性高コレステロール血症なども調べる

厚生労働省の健診資料と学会の診断基準をもとに、行動の目安として独自に整理。服薬中の方は、この表よりも主治医と決めた目標を優先してください。[1・2]

150と160の間に「安全」と「危険」を分ける境界があるわけではありません。一度の差だけで結論を出さず、高い状態が続いているか、ほかのリスクが重なっているかを確認します。


同じLDL 150でも、薬が必要な人と経過を見る人がいる理由

医師が知りたいのは、LDLの高さに加えて将来、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす可能性です。年齢、血圧、喫煙、糖尿病、慢性腎臓病、心臓や血管の病気の既往を確認します。[3]

「診断の基準」と「目指す値」は別に考えます

国内の指針では、動脈硬化性疾患をまだ起こしていない方のLDL管理目標は、リスクに応じて160未満・140未満・120未満などに分かれます。糖尿病などの病態によって、さらに低い目標を検討する場合もあります。[4]

例えば、診察で低リスクと評価された方の150は、生活改善と定期的な確認で経過を見ることがあります。一方、糖尿病や慢性腎臓病がある方の150は、その方に必要な目標を超えている可能性があります。「160未満が目標の人もいる」ことは、「150なら受診しなくてよい」という意味ではありません。

すでに心筋梗塞や狭心症などを経験した方は、再発予防の視点が必要です。一般的な健診の基準内に入っていても治療を続ける場合があるため、結果票の判定だけで薬をやめないでください。[3]

2026年の新しい情報では?

2026年公表の米国ACC/AHA脂質異常症ガイドラインでも、長年にわたるLDLへの曝露を重視し、若い成人でLDL 160以上、または若年発症の動脈硬化性疾患の強い家族歴がある場合には、早期から薬物療法を検討する考え方が示されました。米国の基準をそのまま日本の全員に当てはめるものではありませんが、「若いから、症状がないから放置する」とは考えないことが大切です。[9]


LDL 150・160なら、いつ何科を受診する?

まずは内科・循環器内科、またはかかりつけ医に相談してください。厚生労働省の健診資料では、LDL 140以上180未満は生活習慣を改善する努力をしたうえで医療機関を受診する区分です。180以上は早期の受診が勧められています。[1]

150・160という値だけで救急受診が必要になることは通常ありません。ただし、健診で「要受診」「要精密検査」と指定された方、毎年高値が続く方、糖尿病・腎臓病・心血管疾患がある方は、次の健診まで待たずに受診の予定を立てましょう。食事を完璧に改善できてからでなくても構いません。

受診前にそろえると役立つ情報

  • 今回と過去の健診結果:LDLだけでなく、HDL・中性脂肪・血糖・腎機能の欄も持参。
  • お薬手帳:処方薬に加え、市販薬やサプリメントも。
  • 家族の病歴:ご両親・きょうだいなどのコレステロール高値や、心筋梗塞・狭心症を発症した年齢。
  • 採血の条件:食事から何時間後だったか、服薬中かどうか。

診察では、必要に応じて脂質を再検査し、血糖・腎機能や甲状腺など、別の病気が数値に影響していないかも検討します。すべての方に同じ追加検査が必要なわけではありません。[4]

なお、突然の強い胸痛、冷や汗を伴う息苦しさ、片側の手足の麻痺、言葉が出ないなどがある場合は119番を含む救急対応が必要です。これはLDLの数値とは別の判断です。


LDL 180以上、または家族にも高い人がいる場合

生まれつきLDLが高くなりやすい家族性高コレステロール血症(FH)では、若い頃から動脈硬化が進みやすく、食生活だけの問題として片づけられません。

未治療のLDL 180以上は、成人FHを調べる重要な手がかりです。ただし、180以上なら必ずFH、180未満なら否定できる、というものではありません。アキレス腱などの変化や、近親者のFH・若年発症の冠動脈疾患の有無を合わせて判断します。LDLが160程度でも、家族歴などによっては詳しい評価が必要です。[5]

家族の心筋梗塞・狭心症が、男性55歳未満、女性65歳未満で起きていないかも伝えてください。必要な場合には専門医と連携して診療します。2025年の成人FHの更新は、主にホモ接合体という重い病型の薬物治療に関するもので、一般の健診で「160なら一律に薬」という変更ではありません。[5・6]


LDLを下げるために、今日からできることと薬の役割

「何を減らすか」と一緒に「何に替えるか」を

肉の脂身、バター、生クリームを使った料理や菓子が重なっていないか、普段の一日を振り返ってみましょう。例えば、昼の肉料理を時々魚料理に替える、朝食に豆類や食物繊維の多い穀類を取り入れるなど、続けられる変更を選びます。

LDLが高い方では、飽和脂肪酸の摂りすぎを減らし、魚・大豆製品・野菜・海藻などを組み合わせることが基本です。卵や魚卵などのコレステロールも、無制限に食べてよいわけではありません。特定の食品だけを禁止するより、量と食事全体を見直します。[7]

歩く時間を増やす、長く座り続けない、禁煙することも、血管の健康を守る取り組みです。体格や持病に合わせ、無理な減量や急な激しい運動は避けましょう。[4]

生活改善の効果を確かめ、必要なら薬を組み合わせます

心血管疾患をまだ起こしていない方では、原則として生活改善を3~6か月行い、その効果を評価して薬の必要性を検討します。これは未受診のまま3~6か月待つという意味ではありません。LDL 180以上が続く場合やリスクが高い場合などは、生活改善と並行して薬を検討します。[10]

薬が必要なときは、スタチンなどでLDLを下げ、将来の心血管疾患の予防につなげます。薬の種類や量は、体質や必要な低下幅を踏まえて選びます。効果と副作用を確認しながら続け方を相談します。[3・4]


よくあるご質問

Q.LDL 150で、HDLも高ければ大丈夫ですか?

A.HDLが高いことでLDLのリスクを打ち消せるとは考えません。LDLはLDLとして、持病やほかの検査値と合わせて評価します。[3]

Q.やせているのに160です。食べすぎが原因ですか?

A.食事だけで決まる数値ではありません。遺伝的な体質やホルモンの変化なども関係します。体重をさらに落とす前に、高値の原因と必要な対応を相談してください。[8]

Q.再検査の日は朝食を抜けばよいですか?

A.採血の目的と測定方法によります。中性脂肪は食事で変動し、LDLも計算で求める場合には採血条件が重要です。受診先に確認し、薬を自己判断で抜いたり、必要以上に長く絶食したりしないでください。[2]

Q.薬で下がったら、自分でやめてもよいですか?

A.薬が効いて目標に達している可能性があります。中止や減量は、自己判断せず主治医と相談しましょう。


新橋・汐留で、コレステロールの健診結果を相談するなら

「150なので様子を見ていたけれど、今年も高い」「160と言われて薬が必要か心配」。受診時には、そうした疑問をそのままお聞かせください。受診の目的は、個人に合わせたリスク評価と対策、次に確認する時期をはっきりさせることです。

伊原医院では、健診で指摘された脂質異常症について、再検査や治療の必要性を検討し、生活指導・外来治療・経過観察を行っています。結果票とお薬手帳をお持ちいただくと、これまでの経過を踏まえて相談できます。

当院は東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー地下2階にあり、都営大江戸線「汐留駅」地下2階直結、JR「新橋駅」から徒歩約4分(地上ルート)です。新橋・汐留周辺にお勤めの方も、健診後の相談先としてご利用ください。

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食事や脂質の基礎を知りたい方へ:コレステロールが高いときの日常生活の注意点
関連する健診項目:血糖値・HbA1cの見方と受診の目安

2026年10月11日時点で確認できた厚生労働省・関連学会の公開情報に基づく、主に成人向けの一般的な解説です。国内の基本方針は日本動脈硬化学会の2022年版ガイドライン、2023年版診療ガイドの公開資料および2025年の関連資料を参照しています。小児、妊娠・授乳中、高齢で体力が低下している方などは個別の判断が必要です。

参考情報

  1. 厚生労働省:標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)健診判定・フィードバック文例集
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット:脂質異常症
  3. 日本動脈硬化学会:健康診断で異常を言われたら?
  4. 関連学会による脳心血管病発症予防のための包括的リスク管理チャート2025年版(脂質管理の項)
  5. 日本動脈硬化学会:成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022
  6. 日本動脈硬化学会:ガイドライン・診療ガイド2023年版、成人FHフォーカスアップデート2025の公式案内
  7. 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?
  8. 日本動脈硬化学会:コレステロール摂取に関するQ&A
  9. 米国心臓協会:2026 ACC/AHA脂質異常症管理ガイドラインの要点
  10. 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

この記事の監修者

山下 理比路

医療法人社団優春会伊原医院 理事長
山下 理比路

  • 医師/医学博士
  • 日本集中治療医学会 集中治療専門医
  • 日本医師会認定 産業医
  • 日本内科学会 正会員
  • 日本循環器学会 正会員
  • 日本医師会「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」修了

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